異なる(古い)IEバージョンでテストする方法

普通、1つのパソコンには1つのバージョンのInternet Explorer(以下、IE)しかインストールできません。
その為、Webサイトの開発環境に入っているIEのバージョンとは異なる(古い)IEのバージョンで表示確認(テスト)するのが結構面倒です。

—事前情報—
現在使われている主なIEのバージョンは、IE6、IE7、IE8、IE9、IE10です。
特にこの中では一番古いIE6はWindowsXPに同梱されていたため、XP使用者のうちの一定数がその当時のまま(ブラウザを変えずに)使っているようです。
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では、異なる(古い)IEバージョンでテストする方法をいくつかご紹介します。
個人的なおすすめは、「(3)IE開発者ツール」と「(4)ExpressionWebSuperPreview」の併用です。

(1)複数のパソコンを持っている場合は、それぞれにインストールするIEのバージョンを変える
一番確実です。が、もちろん誰もがパソコンを複数台持ってるとは限りません。
しかも、現在使われている主なIEのバージョンは上記の通り5種類もあるので、全部を網羅するのはかなり難しいです。(会社組織などなら話は別ですが。)
仮想PC環境構築ソフト「Microsoft Virtual PC」を使うのも手ですが、動作環境であったり色々な準備が必要であったり大変です。興味がある方は、調べてみて下さいませ。

(2)有料のソフトを使う
有料のWebサイト開発ソフトには、ブラウザチェック機能が入っているものもあります。
自分が使っているソフトにそういった機能があるならば、それを使えば問題ありません。

(3)Internet Explorerの開発者ツールを使う
これが無料で使え、かなり便利です。IE10とIE9ならば使えます。(IE8でも使えるかもしれませんが、未確認です。)
選択できるバージョンは、そのブラウザのバージョンまでなので、IE10ならIE7~IE10、IE9ならIE7~IE9が選択できます。その為、新しいブラウザの方が多くのバージョンでのテストを行うことができます。

使い方は以下の通り。
IE開発者ツール
IE10を起動して、右上にある枠で囲われた1(赤枠部) → 2(緑枠部)の順にクリック。

IEブラウザモード選択
ブラウザ下部に開発者ツールが表示されるので、その中から「ブラウザモード選択」(赤枠部)をクリックして、目的のバージョンを選択。

これで、IEのブラウザバージョンを切り替えて表示確認をすることができます。
ただし、IE6が選択対象に入っていないので、表示確認できるのはIE7以降のみとなります。

(4)ExpressionWebSuperPreviewを使う
マイクロソフトが提供する、異なるブラウザでのテスト用ビジュアルデバッグツール。
60日の試用期間中は全機能(IEの全バージョンはもちろん、一部の他ブラウザもテスト可能)が使え、試用期間終了後もIE6とIE7の表示確認のみは使えます。(もちろん購入すれば、60日経過後も全機能が使えます。)
つまり、(3)のInternet Explorerの開発者ツールと組み合わせて使えば、IE6~IE最新版までの表示確認を網羅できます。

(5)IETesterというソフトを使う
IE6以降の表示確認が出来るフリーソフトです。
ただし、クラッシュすることも多々あるので、何らかの理由でInternet Explorer10の開発者ツールやExpressionWebSuperPreviewが使えない場合のサブとして使うのが良いかと思います。

以上、簡単にではありますが紹介してみました。

最初に書きましたが、個人的なおすすめは、「(3)IE開発者ツール」と「(4)ExpressionWebSuperPreview」の併用です。
よろしければお試し下さいませ。

Webブラウザの種類

主なWebブラウザを一覧で。

Internet Explorer
マイクロソフトが開発を行うブラウザ。Windowsに最初からインストールされているので、シェアは5割超と高い。略称はIE。
レンダリングエンジンは「Trident」を使用。
ただし、特に古いバージョン(IE6辺り)はデザイン上色々な問題が発生しやすいので、相当苦労して対応するか、思い切って切り捨てることになることが多い。
最近のIE9、IE10辺りはHTML5やCSS3対応もだいぶ進んできており、IE6辺りほどの悪い印象は無い。

Mozilla Firefox
Mozilla Foundationが開発を行うオープンソースのブラウザ。シェアは約2割。日本では火狐と呼ばれることも。
レンダリングエンジンは「Gecko」を使用。
様々なプラグインが公開されており、Webサイト開発者向けの物も充実している。
ただ、メモリ使用量が多いので、パソコンスペックによっては重いかもしれない。
モバイル版の「Firefox for Mobile」もある。

Google Chrome
Googleが開発を行うブラウザ。シェアは20%弱。
レンダリングエンジンに「WebKit」が使われてきたが、バージョン28以降は「Blink」が使われることになっている。
公開以来急速にシェアを伸ばしたものの、最近は伸び悩み。
Android版、iOS版もある。

Safari
アップルが開発を行うブラウザ。シェアは約5%。
MacやiPhone、iPadといった製品で主に利用されているが、もちろんWindows用もある。OS Xの標準ブラウザ。
レンダリングエンジンは「WebKit」を使用。

Opera
オペラソフトウェアが開発を行うブラウザ。シェアは約2%。
ニンテンドーDSやWiiなどのゲーム機にも入っている。
レンダリングエンジンは、公開時から独自エンジンを使用してきたが、今後は「Blink」が使われる予定になっている。

パソコン向けのWebサイトならば、主に↑のブラウザで表示確認をしておけば大丈夫かと思います。
ただ、問題は最新版のブラウザではなく、古いブラウザで見た時の表示崩れ・不具合だったりしますが。(特にIE)

他にも
Lunascape
Sleipnir
といったブラウザもある。

[参考資料]
2013年4月ブラウザシェア – マイナビニュース